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【画像50枚】「王立宇宙軍 オネアミスの翼」展を観に八王子へ行ってきた。ほとばしる80年代クリエーター達の熱量に圧倒!

昨日は久々に美術展を観に、八王子まで行きました。いや〜遠かった。。

今日は、八王子市夢美術館で開催中の「王立宇宙軍 オネアミスの翼 展 SFアニメができるまで」についてレポートします。

SFアニメーション映画「王立宇宙軍 オネアミスの翼」について。

この美術展は、1987年に劇場公開されたSFアニメーション映画「王立宇宙軍 オネアミスの翼」の制作手法にフォーカスし、回顧する内容です。

1987年前後といえば「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」などの宮崎駿監督作品を筆頭に、「AKIRA」「機動警察パトレイバー」といった珠玉の長編アニメ映画が、ゴロゴロ発表された時期。

「オネアミスの翼」は、そんなシーンの熱気を追い風に、若き無名のクリエーターが集結して作り上げた長編アニメ映画でした。

筆者くらんけは、実はこの作品を、ほぼリアルタイムで観ました…といっても「金曜ロードショー」ででしたが。

番組では水野晴郎さんが「とにかく今大人気の、若いクリエーターが作り上げたアニメ映画で…」などと解説されていましたね。

テレビ放映を見終わった時の感想は、まだ子供だったこともあり「緻密でキレイな絵だな〜」「音楽や効果音の使い方がカッコいいな〜」ぐらいのものでした。

ところが…30年近く経った今だに、自分の中でこの作品の「感触」が忘れられないんですよね。

山賀博之監督自らおっしゃるように「ロケットで宇宙へ飛び立つだけ」という他愛のないストーリーでしたし、なぜ今だに強烈な印象であり続けるのか不思議でしたが、この「オネアミスの翼」展で、なんとなく理解できた気がします。

その理由は、これから展示資料を紹介しながらお話ししましょう。

筆者の想う「オネアミスの翼」の魅力とは。

先ほども述べましたが、オネアミスの翼は、ざっくり「うだつの上がらない青年が、ロケットで宇宙へ飛び立つ」というワンフレーズで説明がつく物語。

そんなシンプルな話で観客を惹きつけるため、山賀博之監督は、この作品に徹底的なリアル感を吹き込もうとします。

アニメーションに限らずストーリーのパターンはもう全部出ちゃっていると思うんですよ。<中略>だったら何が重要かといったらそのパターンの中で流れる情緒が重要であって<中略>どのように観せるかが重要だろうと。そこで「人間が宇宙へ行くだけのすごい単純なパターンの話に価値を持たせるには実感しかないんだろうと。(話をロケット打ち上げまで)ストレートに持っていくだけだとなった時に、じゃあその間は何で観客を楽しませていくかとなると(モノや動き、光や影、色味や雰囲気などの)ディテールしかないだろうと。

「王立宇宙軍制作記録集」(1987年刊)からの引用

山賀監督は、そのディテール感を徹底的に追求し、観客に実感を持たせることで、作品世界に魅きつけようとする方法論をとりました。

現実ではないんだけど、現実っぽくあるかのようなデザインの創出。

監督は「そのデザインに、制作時間の大半を費やした」とまで述べます。

卓上電話機

工具・工作機械

食器類

とにかくすごいのは、架空の文化をゼロから作り出さんとする、細やか、かつ独自性溢れる意匠の数々。

それは、見たことがあるようで決してない建築物、乗りもの、文字、食べ物といったモノに止まらず、政治や風俗、思想、宗教にまで及びます。

パトカー

船着場に連なっている「名店ビル」

筆者はこうした、どこか懐かしいんだけど、前衛的な匂いのする工業デザインや風俗といった「現実にはないリアルさ」(おかしな言い方ですが…)が、この作品の世界観を決定づけていると感じます。

いわば緻密な世界観と、魅惑的なビジュアルが醸し出す「後味」「雰囲気」「情緒」こそ、この作品が、筆者に忘れがたき印象を刻みこんだ理由だと気づきました。

奇抜なテーマパークを体験した時や、異国へ旅行した時に味わう感慨に近いというか…。

館内と展示の様子

ここからは、実際に「オネアミスの翼」展の様子を観て行きましょう。

撮影した画像の掲載にあたっては、八王子市夢美術館さまの許可を頂いております。

この日は平日ということもあり観客はまばらで、ゆったり楽しめました。

美術館としてはこぢんまりとしているので、土日は混み合うかもしれませんね。

客層は筆者のようなおっさんから、クリエーターや、デザインを志してそうな若者まで幅広かったです。女子の姿もありましたよ。

展示物はすべて撮影OK。いたるところでスマホのシャッター音が聞こえます。

最近は、こうした撮影を許可するエキシビションが増えて、嬉しい限り。

山賀監督の制作メモの展示

展示構成としては、始めに山賀監督のアイディアが書き殴られた制作メモが示されます。

監督として「オネアミスの翼」を具現化するまでのプロセスが分かります。かなり赤裸々に。

哲学的で、とても興味深い内容です。

ちなみに映画の公開当時、山賀監督は24歳。これらはその数年前に記されたメモだと思われます。

おびただしい素材資料の数々

以降は、制作過程の素材資料が大量に展示されます。

まずは美しい街並みのイメージイラストから。

街並みの設定は、オネアミスの翼のキモである「情緒」を私たちにもたらす、極めて重要な要素だと思います。

お次は、未来的なのか前時代的なのか分からない、奇妙でユーモラスな造形の乗り物たち。

自分の脳が、虚構と現実のズレを補正しようとしているのが実感できます…すいません何言ってるのかワカんないですよね。笑

そして、オネアミスの翼に登場するキャラクター達は魅力的です。

しかし、主人公の「シロツグ」は、SFにありがちなスーパーヒーローでもなんでもなく、飛行機のパイロットになりたかったものの成績が悪すぎて挫折し、怠惰な日々を送っています。

王立宇宙軍の仲間達や上層部なども、どこか諦観をたたえたような連中が多く、何とも人間くさいんですよね。

筆者は、それこそが「オネアミスの翼」に登場するキャラクターの魅力だと感じます。

そんな冴えない日常の中、シロツグは宗教の勧誘に励む少女「リイクニ」と出逢い、徐々に運命が流転。

ネタバレになるので詳しく書きませんが、そんなシロツグが物語の最後、作品のシンボルであるクラスターロケットで宇宙を目指すことになる…とても痛快です。

極め付けは、おびただしい数の「小物」の設定資料群。

これはゲーム用カードと、テーブル。

特に食べ物は、非常に細かい設定が施されます。

なんと、オネアミス王国の数字や文字まで創作されています。すごすぎる。。

順路の最後にある試写スペースでは、実際に「オネアミスの翼」が上映されていました。

筆者も30年ぶりに見ましたが、当時のクリエーターのこだわりは凄まじく、今のアニメ以上にディテールが際立っていて、かなり引き込まれましたね…。

「王立宇宙軍 オネアミスの翼 展  SFアニメができるまで」会期&アクセス情報

開催期間

「王立宇宙軍 オネアミスの翼 展」は、2018年9月14日(金)から11月11日(日)まで、八王子市夢美術館で開催されています。

開館時間は10:00〜19:00。入館は、閉館30分前まで。

休館日は月曜日ですが、祝日や振替休日の場合は開館し、翌平日に休館されます。

観覧料は大人600円なので気軽に行けますよ…筆者は、八王子まで行く交通費の方が多くかかりました。

また未就学児は無料、土曜日は小・中学生が無料になるので、当時の作品を知るお父さんは子供さんを連れて行き、英才教育してあげるのもいいでしょう。笑

アクセス

八王子市夢美術館へは、JR八王子駅から徒歩15分、京王八王子駅からは徒歩18分。

駅からバスで向かう方は、バス停「八日町一丁目」で下車し、歩道を渡ってすぐの「ビュータワー八王子」2Fです。

駅から徒歩で行かれる方は「西放射線ユーロード」に向かいましょう。

徒歩15分というと長く感じますが、ここの道は歩いていて楽しかったですよ。

今日の処方箋

  1. 「王立宇宙軍 オネアミスの翼 展」は、東京都の八王子夢美術館にて、2018年11月11日まで開催中。
  2. 展示物はすべて撮影OK。SNSやブログにアップしても大丈夫です。
  3. オネアミスの翼という作品同様、旅行気分で異国情緒的な「いい」感覚が味わえるでしょう。

「オネアミスの翼」展は、設定資料やイメージイラストなど盛りだくさんな内容ですが、会場がコンパクトゆえ、早い人は30~45分もあれば観終わると思います。筆者は3周しましたが。。

展示内容にアカデミックな難解さはないので、魅惑的なビジュアルをフラッと楽しまれてはいかがでしょうか。

またクリエーターやクリエーター志望の方も、80年代の若きアマチュア・クリエーターらによる「モノづくりへの執念」に、またとない刺激を受けること間違いなしです!

本日のカルテは、ここまで。

せっかく八王子まで来たので、帰りに京王八王子駅前の「バーゼル」でマロンロールを食べたよ。。おっさん一人で。笑

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